昨年も本調査にご協力いただいた株式会社マツザワ瓦店。 この会社の環境への取り組みはすべて独自に策定した環境マニュフェストをベースとして展開されている。 その原点となっているのが、屋根工事の施工現場で出る瓦端材の有効利用である。従来現場でカットしていた瓦を、工場でプレカットし、さらにそれを粉砕して培養土として再生している。この工程を受け持つのが、グループ会社として独立した株式会社伍社である。 この培養土は多孔質で保温性が高く、また有機肥料を混ぜることにより、植物の成長が良い、花がされいに咲くと評判を呼んでいる。

まほろば事務所にて打ち合わせ
このマニュフェストの中で、特に松澤社長がこだわっているのが「教育機関の環境教育(出張講座)への協力」だ。 すでに幼稚園においては4年ほど前から培養士による家庭菜園づくりを社員が子供たちと一緒に取り組み、環境や自然の大切さを教えるという活動を行ってきた。 今では多くの幼稚園において、恒例行事として定着している。
この活動を次は小学校にもと考えた松澤社長だが、大きな壁に直面した。 「最初は何かを売り込みに来たのかと構えられてしまいます。話を聞いてくれたとしても、教育委員会と相談します。」というのがやっとで、話はほとんどそこで立ち消えてしまう。 「こちらは至って純粋な気持ちなのですが、信じてもらえないのは当然かもしれないですね。」と松澤社長。結局、昨年実現したのは地元の小学校一校のみ。 そんな時に協力を買って出てくれたのが、愛知県西尾市で活動するNPO法人「まほろば」。 地域を愛し、「文化」と「緑」そして「人」を育てることを理念として活動するNPOだ。 伊藤理事長との偶然の出会いから、理念に共感し合い、協働プロジェクトとして進行中である。
松澤社長と伊藤理事長は、同じ名古屋市中川区の出身。 実はお互いの父親の代から親交があり、一伊藤氏の自宅の瓦を葺いたのもマツザワ瓦店だったという。 しかし、互いに面識があったわけではなく、松澤社長の環境への取組みが新聞で紹介されたのを見た伊藤理事長が松澤社長に電話をかけて協力を申し入れたのが今回のプロジェクトのきっかけとなった。
「まほろば」は、平成18年の4月より西尾市歴史公園指定管理者として歴史公園の管理運営をおこなっている。その市の窓口が教育委員会であったため、今回の小学校における環境教育プログラム実現のためのパイプ役となることができた。 ゆくゆくは西尾市14校の小学校に広めることをめざしているが、本年度はモデル校を選定し、1年生の生活科の学習の一環としての導入をめざす。
松澤社長はとてもバイタリティのある方で、環境に真剣に取り組む姿勢に感化されました。
学校における教育とは・私は「共育」であり「協育」であるべきだと常々思っていま丸今回の提案においてもテーマを「共育による成長と、真の環境教育をめざして」としています。 共通した理念があってこそ企業との協働が可能になると考えています。(まほろば伊藤理事長談)
「まほろば」さんが・市民の自主的な企画・運営によるNPO活動を考えていらっしゃることを知り・何らかのカタチで協力させてもらえなし・かと考えたのが始まりです.話をするなか煮私の夢である子供たちに環境や自然の大切さを知ってもらいたいという思いが通じ、教育委員会にもつないでいただきました。 一企業では叶わなかった